NPO法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク

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ひげ博士のおはなし
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第49回 マクロファージのLPS伝達すご技(エクソソーム編)

(2019年12月 No.49より)

皆さん、ひげ博士じゃ。マクロファージは環境情報を受信し、その環境に合わせて性格を変え、必要な情報を発信するという性質を持っておるのはご存知の通りじゃ。その情報発信にはサイトカインといわれるタンパク質を分泌してシグナルとすることで行われていることが知られておった。ところが、近年になって、ほとんどの細胞が自らの一部を微粒子として放出することで作られるエクソソーム(exosome)にも情報を発信する能力があることが急速にわかって来たのじゃ。LPSによるマクロファージのエクソソーム誘導の報告を一つ紹介しよう。

マクロファージにLPSを与えると細胞の100分の1ぐらいのサイズの小さなエクソソームが放出される。直接LPSを与えると炎症を起こす方に働くが、このエクソソームを脳のマクロファージ(マイクログリア)に与えると神経保護作用を持つタンパク質を誘導するのじゃ。さらに、脳を損傷させたモデル動物にエクソソームを静脈注射すると、脳のダメージが低下することが報告されておる*。どうやら、エクソソームは脳血管関門を通ると考えられておるのじゃ。もしかすると、飲んだLPSが直接脳に働くのではなく、消化管の粘膜細胞からエクソソームを介して脳に働く、そんなLPSの情報伝達ルートがあるのかもしれんのう。要注目じゃ。

ひげ博士

*: “Exosomes from LPS-stimulated macrophages induce neuroprotection and functional improvement after ischemic stroke by modulating microglial polarization” Biomaterials Science 2019 Doi: 10.1039/C8BM01449C.

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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