NPO法人自然免疫ネットワーク

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ひげ博士のおはなし

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ひげ博士のおはなし
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第42回 動脈硬化の話

(2018年3月 No.42より)

皆さん、ひげ博士じゃ。LPSの経口摂取が健康維持に良いことは色々と報告してきたが、今回は動脈硬化の予防について我々の研究を紹介しよう*。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に自然免疫制御技術研究組合が代表機関(研究代表:杣源一郎)としているホメオスタシス多視点評価コンソーシアムで行われた研究成果のひとつじゃ。

飽和脂肪酸や糖質の食べ過ぎは脂質異常症、例えば、LDL、中性脂肪、総コレステロールなどの数字が高くなり、腹囲測定の時にコッソリお腹を凹ましても駄目出しされる原因じゃな。小さいタイプのLDLは血管に入りやすく、そこで酸化されると酸化LDLになり、細胞毒性を現すので、動脈がダメージを受け、最終的に動脈硬化が進むのじゃのう。この研究では、脂肪が血液の中で運搬される時に働くタンパク質(アポE)が無く動脈硬化になりやすいマウスを使ったのじゃが、パントエア菌由来のLPSを飲ませておくと、動脈硬化が防げることがわかったのじゃ。体重も増えず、内蔵脂肪も増えず、酸化LDLも低い、慢性炎症も抑制されていることがわかった。LPS摂取の動脈硬化症抑制効果は、LPSが炎症を誘導すると考えている研究者がLPSの見方を変える大事な研究なので、覚えておいて頂きたいものじゃ。

ひげ博士

*: Yutaro Kobayashi, et al., PLOS one 13 (3): e01950008. (2018)

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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